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2024-06-14

賃貸経営の運営コスト 物価高への対抗手段とは

見直すべき運営コストを見極めることが重要

 

最近の物価上昇の影響を受けて、「賃貸経営の運営コストが負担になっている」という悩みを抱えるオーナー様も多いのではないでしょうか。

 

総務省が発表した「2020年基準 消費者物価指数(全国/総合)」によると、ここ数年間、下記のようにインフレ基調が強まっています。

 

・2022年:3.2%

・2023年:3.0%

・2024年(3月):2.7%

 

この物価上昇分をそのまま家賃に上乗せできればよいのですが、そう簡単ではないのが実情です。

 

そして、このインフレ基調は円安や原油価格の不安定さ、人材不足などの要因によって長期化するとの見方があります。

 

このような状況に対応するには、「運営コストの節約」が有効です。

 

ただし、無計画にコストを削減してしまうと、サービスの質の劣化が入居者満足度の低下を招き、空室率の上昇につながる恐れがあります。

 

これを避けるためには、「見直すべき運営コストは何か」を明確にする必要があります。

 

例えば、以下のような削減項目が考えられます。

 

・共有スペースの光熱費

・火災保険料

・リフォーム費、修繕費

・その他、外注費用 など

【光熱費の削減】LED、新電力、電子ブレーカーの導入が効果的

 

一棟物件を所有している場合、共有スペースの電気代はまとまった金額になります。

 

特に所有する棟数や戸数が多い場合や、エレベーターのある物件などは、見直しによって電気代を大幅に削減できる可能性があります。

 

電気代を削減する1つ目の方法は、共有スペースの照明をLEDに交換することです。

 

従来の電球や蛍光灯と比べて、LEDは消費電力を2分の1〜10分の1程度に抑えることが可能です。

 

また、LEDは熱が発生しないため、冷房の電気代の削減効果も期待できます。

 

2つ目の方法は、大手電力会社から新電力会社への乗り換えです。

 

基本料金が0円だったり、ポイント特典があったりすることで実質的なコスト削減につながる場合もあります。

 

ただし、「市場連動型プラン」を選んだ場合、電気の取引価格が高騰すると、逆に電気代が高くなるケースもあるため注意しましょう。

 

そして、3つ目の方法は、使用する電力量が過剰になった際に電流を遮断する電子ブレーカーを導入することです。

 

設置費用がかかったり、条件によっては電気代を削減できなかったりする場合もあるため、慎重に検討してください。

【火災保険料の削減】保険料の比較と包括保険を検討

 

「どの保険会社でも保険料に大差はないのではないか」と考えているオーナー様もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、実際にはほぼ同じ契約内容でも、保険会社が変われば火災保険料は異なります。

 

そのため、これまで火災保険料を比較したことのない方は更新のタイミングで一度、比較してみることをおすすめします。

 

また、複数の物件を所有しているオーナー様は、「包括保険」を選択することで火災保険料を削減することも可能です。

 

通常の火災保険は1棟または1戸ごとに契約を結びますが、包括保険の場合、複数の物件ごとに契約を締結します。

 

例えば、アパートを3棟まとめて契約するようなやり方です。

 

ただし、包括保険を結ぶには、「構造が同じであること」が条件になるのが一般的です(例:3棟全てが木造など)。

 

【リフォーム費・修繕費の削減】見積りを詳細な内訳で作成してもらう

 

資材や人件費が高騰している中、リフォーム費や修繕費を削減するのは難しいのが現実です。

 

ただし、業者に対して、「見積りを詳細な内訳で作成してほしい」と一声かけるだけで、結果的にコスト削減ができるケースもあります。

 

例えば、オーナー様の視点で見ると、見積りの内容が大まかだと、「何にいくらかかっているか」が把握できないため、コスト削減が難しくなります。

 

大まかな見積りに対して、「消費税分を値引きしてもらえないか」といった強引な交渉も可能ですが、値引きを断られれば終わりです。

 

これに対して、見積りが詳細な内訳になっている場合、各項目ごとの費用が明確になります。

 

そのため、オーナー様が「この費用が本当に必要かどうか」を判断しやすくなります。

 

その結果、「今回はこの修繕を省きたい」「この項目の費用が相場よりも高いので再検討してほしい」といった具体的な交渉がしやすくなります。

【その他】オーナーチェンジの際は引き継ぐ費用を見直す

 

オーナーチェンジ物件を購入した際は、前オーナーが契約していた業者(例:管理会社や清掃会社、消防点検業者など)を引き継ぐケースが大半です。

 

しかし、オーナーチェンジを機に業者のコストをチェックし、割高であれば契約を見直すことをおすすめします。

一例としては、定期的に行われる消防設備の点検作業をチェックしたところ、消防法で定められている以上の無駄な点検がされており、費用が高くなっていたというケースが挙げられます。

 

この場合は、法律で義務付けられた点検のみを行うことで費用を削減できますが、オーナー様ご自身が「何年おきに、どのような点検が義務付けられているか」を知っておかないと業者への適切な指示が出せません。

 

また、委託管理料が割高だとお感じになる場合は、弊社までお気軽にご相談ください(契約内容によっては、すぐに管理会社を変更することが難しい場合もあります)。

 

物件を省エネ仕様で建て替え・リフォームする選択肢もある

 

所有する一棟物件が築古の場合、建物を省エネ仕様にすることで光熱費を削減する方法もあります。

 

省エネ仕様の施策例としては、高断熱性能と太陽光発電、省エネ設備などを組み合わせることで、建物全体のエネルギー消費量を大幅に削減するのが効果的です。

省エネ仕様にすることで、オーナー様負担の共有スペースの光熱費と合わせて、入居者負担の居室の光熱費も削減できます。

 

そのため、入居者を募集する際には、省エネ仕様の建物であることをアピールすることができ、稼働率や家賃収入の向上を見込めます。

 

また、賃貸住宅を省エネ仕様で建築・リフォームすることで助成・補助を受けられる場合もあります(例:経産省「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」など)。

 

ご相談いただければ最適なプランをご提案することも可能です。

 

弊社までお気軽にご相談ください。