家賃が高くても決まるランキングで宅配ボックスは上位
最近では、入居者に人気の設備として、「宅配ボックス」が挙げられることが増えています。
例えば、全国賃貸住宅新聞社が発表した「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる TOP10」において、宅配ボックスは単身者向け物件で4位、ファミリー向け物件で5位となっています。
ちなみに、宅配ボックスよりも人気の高い設備には、インターネット無料やエントランスのオートロックなどがあります。
これらの設備を既に導入しており、さらに入居者の満足度を高めるための施策をお考えのオーナー様は、次の設備として宅配ボックスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
入居者の4割以上が物件選びにおいて「宅配ボックスが重要」と回答
宅配ボックスは、入居者の満足度を高めるだけでなく、新規入居者の獲得にも効果をもたらすようです。
株式会社AZWAYでは約500人を対象に「宅配ボックスの有無が賃貸物件選びに与える影響」に関する調査を行いました。
この調査では、「宅配ボックスの有無はあなたが賃貸物件を選ぶ際にどれくらい重要ですか?」と質問しています。
その結果、「非常に重要( 12.8%)」と「重要(31.6%)」を合わせると、全体の約45%に達しました。
※円グラフは結果に基づき、編集部で作成
この約45%という結果を高いと感じるか、低いと感じるかは人それぞれだと思います。
しかし、内見者の約2人に1人が「宅配ボックスを重要視していること」を考えると、前向きに検討していくのが無難ではないでしょうか。
宅配ボックスは大きく3タイプある賃貸物件向けなのは?
所有している物件に、宅配ボックスを設置したいと思うオーナー様の中には、「設置した場合の費用がどれくらいかかるか気になる」という方も多いのではないでしょうか。
宅配ボックスには大きく3つのタイプがあり、どのタイプを選ぶかによって費用が異なります。
一般的には、費用が多い順に「ロッカータイプ(デジタル式)>ロッカータイプ(アナログ式)>個別置きタイプ」となります。
それぞれのタイプの特徴は以下の通りです。
①ロッカータイプ(デジタル式):扉の開閉や保管の管理などをコンピューターで行う
②ロッカータイプ(アナログ式):扉の開閉をダイヤル錠の暗証番号などで行う
③個別置きタイプ:集合住宅などの各戸の玄関前などに設置をする
タイプの選び方としては、例えば一般的なアパートであれば「個別置きタイプ」、女性の入居者が多いマンションであれば「ロッカータイプ(デジタル式)」を選ぶと良いでしょう。
また、最近では今までになかった付加価値を持つ宅配ボックスも登場しています。
宅配ボックスと玄関ドアを一体化させたタイプ(商品名:宅君ドア)は設置スペースのない賃貸物件でも導入可能です。
他にも、玄関解錠用のカードキー、宅配ボックス、インターフォンの3つのアイテムを連動させた高機能タイプなどもあります。
後付けで宅配ボックスを設置する場合の費用の目安
既存の賃貸物件に宅配ボックスを採用する場合、設置スペースの確保が重要です。
設置場所としては、建物周辺、エントランス、各戸の玄関などが考えられます。
設置する場所によっても、「どの宅配ボックスを選べばよいか」が変わってきます。
例えば、マンションのエントランスに設置する場合は「ロッカータイプ」、共有スペースの狭いアパートに設置する場合は「個別置きタイプ」を選ぶといった具合です。
宅配ボックスの設置費用は、タイプや業者によって異なります。
既存の賃貸物件に後付けする場合の費用の一例は以下の通りです。
①ロッカータイプ(デジタル式)数十万円〜
②ロッカータイプ(アナログ式)10万円〜
③個別置きタイプ数万円〜
ロッカータイプは宅配ボックスそのものの費用に加えて、設置工事の費用(一例:10万円など)が必要となることもあります。
費用を抑えることを重視する場合、オーナー様自身で「個別置きタイプ」を購入して設置するのが最適です。
しかし、安価な宅配ボックスは耐久性が低いことが多く、盗難やいたずらのリスクが高いので注意しましょう。
宅配ボックス設置にも使える補助金!「住宅省エネキャンペーン」
賃貸物件の新築やリフォームを予定しているオーナー様は、「住宅省エネ2024キャンペーン」の補助金を利用して、宅配ボックスにかかる費用を抑えることが可能です。
このキャンペーンは、住宅省エネ化を支援する制度であり、以下の表の4つの支援事業の総称です。
総額4,615億円という予算規模の大きさにも注目です。
引用:住宅省エネ2024キャンペーン
一見すると、④「賃貸集合給湯省エネ2024」以外は賃貸経営と関連がなさそうに見えます。
しかし実際には、要件を満たせば全般的に賃貸物件のリフォームに使うことができます。
また、この補助金のもう一つのポイントとして、①子育てエコホームと②〜④の支援事業を組み合わせることで、まとまった補助金を得ることも可能です。
賃貸物件に宅配ボックスを設置する際の一例としては、①子育てエコホーム支援事業を利用した場合、1戸あたり11,000円の補助金を得ることが可能です。
「住宅省エネ2024キャンペーン」は賃貸住宅の幅広い施策に使える補助金です。
その詳細については公式サイトで詳しく解説されていますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。